愛しい

紫陽花の残夢で逢いましょう 
武蔵坊弁庆（宫田幸季）

花びらのように　色づいた夢（がく）
紫陽花はそう　偽り（いつわ）の花
微笑に今　沈めた想い
さらしましょうか　独り芝居に（しばいに）

触れたはいけない　可愛い天女（てんにょ）の君
まもりましょう　その優しさを
すべて君に返すため　終止符（しゅうしふ）を

あの月輪（つき）に映る　紫陽花の残夢（ゆめ）
届かない　幻想（まぼろし）よ
帰りなさい　幸せに
僕は傷と呼べぬ　この痛み抱きましょう

罪の後先　出会いと別離（わか）れ
移ろう時は　回り灯篭
静寂（せいじゃく）にほら　君の残り香
たどりましょうか　独り遊びに

染めてはいけない　真っ白な天女の素肌（はだ）
奪いなしょう　その苦しみも
すべて君に翳りには　終止符を

この胸の描く　紫陽花の残夢
微熱（ぬくも）りの　重ね絵よ
帰りなさい　あの場所に
僕は罪と咎（とが）を　この胸に抱きましょう

まぶしすぎる
君という光り　消え残る残夢
色褪せぬ　哀しみよ
僕のものに　ならないで
帰りなさい　遠く幸せに
そして　残夢で逢いましょう
...泣かないで...